一昨日は、生徒さんのコンクールを聴きに、三木楽器の開成館へ行ってきました。
ブルグミュラーコンクール2018
このコンクールはとても人気があるようで・・・。
教室の生徒さんに参加の声をかけつつあった矢先に、定員に達してしまい、締め切りとなってしまいました。早い時期から参加したいと手を挙げていたS君(小5)のみ、滑り込みでエントリーとなりました。
S君のエントリーは小学5、6年「Bコース」
直前のレッスンでは、まずまず仕上がっていたので、予選通過は大丈夫かな?
でも、S君にとってコンクール挑戦はこれで2度目なので、本番で何か起きてしまうかも?と、私の中で期待と不安が入り混じっていました。
ドキドキの本番・・・
S君、緊張していたのでしょうね。
最初から最後まで、いつもよりかなり速いテンポでの演奏となってしまいました
それ故、S君らしい繊細な表現や歌心は、チラッと顔を出す程度で演奏が終わってしまいました。
うーん・・・残念(>_<)
でも、本番でテンポが上がって、どうしようもなくなることは、長くピアノを続けている人なら、一度は経験することですよね。これもS君にとって貴重な経験です。
そして結果発表。
このコンクールは、予選通過者のみの氏名を掲示板に貼り出して、結果発表となります。
本選への切符は厳しいことはわかっていましたが、一応ケジメなので、掲示板のところでS君に尋ねました。
私「S君の名前あった?」
S君「僕の名前はなかった・・・と思う・・・」
私 (下を向いてショボーンとする姿に、心が痛みました)
私「いつもより大分テンポが速かったねー。だからS君の良いところが出せなかったね。よく頑張ってたから悔しいね。」
S君 (下を向いたまま、しょぼーん・・・)
私「いただいた封筒の中を見てごらん。賞状が入ってるよ。」
S君 (しょぼんとしながら封筒を開けると・・・)
「奨励賞」と書かれた賞状が
私「S君、よかったねー!!奨励賞もらえたやん!」
S君 (下を向いたまま、しょぼーん・・・)
私「また来年リベンジしよ。一緒に頑張ろうね!!」
S君 (下を向いたままコクリと頷いていました)
奨励賞をいただけたのは、S君の良い部分がチラッと見え隠れしていたからかなと思います。
S君、よく頑張ったね!
こうして、S君にとって2度目のコンクール挑戦は、ほろ苦い結果となりました。
でも成長途上の子どもにとって、こういう悔しい体験は貴重な財産となるように思います。もちろん成功体験も励みになりますが、こういう経験は心を強くします。そして「悔しい体験」をするからこそ、ピアノや音楽が本当の意味で好きになっていくのだと思います。
S君はまだたったの10歳!
これから沢山のチャンスが待っています。
嬉しい気持ち、悔しい気持ちをいっぱい味わって、強くて優しい人に成長してほしいと思います。
私はS君のピアノが大好きですし、彼のこれからがとっても楽しみです