「心癒す名曲」ということで、今日は、フォーレの「レクイエム」の紹介です。
私にとって、精神安定剤、睡眠導入剤のような曲です。
多くの作曲家が「レクイエム」を書いていますが、私はこのフォーレの「レクイエム」が、一番好きです。
そして、この曲に私はすごく助けられました。
真面目な話を少し。
今から5年前に父が他界しました。
ガンの再発がわかってから、数ヶ月。本当にあっという間に逝ってしまいました。
まだ67才でした。
「仕事がしたい。」
「ゴルフに行きたい。」
「旅行に行きたい。」
そう言って、本人はまだまだ元気になろうとしているのに、どんどん痩せて衰弱していく姿を見るのは、本当に辛かったです。
亡くなった後は、悲しみを正面から受け止めることができず、仕事に邁進することで、喪失感や悲しみを誤魔化していたように思います。
平日は会社員、週末はピアノの先生として、日々をわざと忙しくして、何とかやり過ごしていた感じです。
そんな生活が3年位続いていました。
そんな時に、ふとした偶然で耳にした、このフォーレの「レクイエム」。
美しく、哀しく、優しい音楽
もともと知っている曲ではありましたが、この時は、心の奥深くに沁み入ってきました。
聴き終えた時には、それまでずっと胸の奥に閉じ込めていた悲しみが、すーっと溶けていく感じでした。
「お父さんは役目を果たして、天国へと旅立った。今は天国で、大好きなゴルフを楽しんでいるのだろうな。」
無理矢理思いこむのではなく、心からそう思うことができました。
これは私にとって、大きな一歩、立ち直るきっかけとなったように思います。
このフォーレの「レクイエム」が、他の作曲家のレクイエムと大きく違うのは、死後の世界の希望や光を表現しているところです。
フォーレ自身が次のように語っています。
「私のレクイエムは、死に対する恐怖感を表現していないと言われています。(中略)しかし、私には死はそのように感じられるのであり、それは苦しみというより、むしろ永遠の至福の喜びに満ちた解放感に他なりません。」
透明で、ふわふわと浮遊するような音楽。本当に癒しの効果が高いです
私は今でも、眠れない時や、心を落ち着かせたい時に、この曲を聴きます。
このブログを読んでくださっている皆さんにも、何かの時に、この曲を思い出して、聴いてもらえたらと思います。
全曲を通して聞いてもいいですし、3曲目の「SANCTUS(聖なるかな)」から5曲目の「AGNUS DEI(神の子羊)」あたりを先に聞くのも良いかなと思います。
特に4曲目の「PIE JESU(慈悲深いイエスよ)」(動画では17:25辺り)は、ボーイソプラノの美しさに心洗われます。
いつかコーラスで歌うチャンスがあれば嬉しいなぁと、願っていたら・・・
本当に歌うチャンスがやってきました
10月25日(木)、10月26日(金)
フェスティバルホールにて
19:00開演です。
指揮はパスカル・ロフェさん。作曲者フォーレと同じフランス出身の方です。
心癒される名曲を聴きに、是非フェスティバルホールへいらしてください。お待ちしています
最後は宣伝ですみません(^^;)