「何か一つは続けなさい。私はこれが好き、これが得意。そう思えるものを何か一つ身に付けなさい。」
幼い頃、母によくそう言われました。
バレエ、お習字、スイミング、エレクトーン等々。色んなお稽古事をさせてもらいましたが、母の「何か一つは続けなさい。」という言葉は、幼い私にも妙に説得力があり、「何か一つは続けよう、続けるとしたらピアノかなあ?」と何となくは思っていた記憶があります。ただその思いと練習量は完全に反比例していましたが(^^;
母「ピアノの練習はした?」
私「ママが買い物行ってる間にもうしたもん。」(←これは基本のセリフです!)
母「もう練習やめるの?今弾き始めたばっかりやん。」
私「今日はなんか手痛い。」(←もちろんウソです!)
こんなやり取りがしょっちゅうです。「うちの子の方がましかも。」そう思われた方も多くいらっしゃるのでは?ほんと恥ずかしい話です。こんな私にとって、時に鬼?いや、ゴジラ?と化して、半ば強制的に毎日練習する環境を作ってくれた母の存在はやはり大きかったと思います。
その後、紆余曲折あり、結果的には音楽の道に進もうと決めた私ですが、その道も決して順風満帆ではなかったです。発表会やコンクール、受験対策の試験で思うような結果が出ないこともありました。その度に「自分には才能がないのではないか?向いていないのではないか?」と落ち込み、現実から逃げたくなった時も「何か一つは続けなさい。」という母の言葉は、私の基軸となって私を支えたように思います。