ピアノを続ける ④父親の存在

四年前に亡くなった父親ですが、音楽には関心がないように、子どもの頃は感じていました。とにかく厳しかった母に対して、甘々の父。両親でうまく役割分担ができていたのだろうと振り返ります。

母に叱られ泣きながらピアノの練習をする私に、そっとお菓子を持ってきて「ママに内緒やで。」そう言って部屋から出て行ったり。一応発表会は毎年来てくれました。でも私と妹の演奏が終わると、どこかに消えて(多分コーヒーでも飲んでいたのでしょう。)しばらくするとふらっと会場に戻ってきて、そして寝てました!コンクールを観に来てくれた時も基本は寝てました!でもなぜか上手な演奏の時にはしっかり起きて「この人うまいなぁ。」と横で一緒に聴いてくれていました。

自宅でピアノ教室を始めようかと相談した時には、すごく喜んですぐにこの看板を作ってきてくれました。

北原ピアノ教室看板

この看板の大きな間違えわかりますか?生徒のみんなはよく知っているよね!
そう。ト音記号の渦巻きがスタートする位置が違うのです!ト音記号とは、日本音名の「ハニホヘトイロハ(ドレミファソラシド)」の「ト(ソ)」の音から渦をまくから「ト音記号」なのです。これは「ロ(シ)」の音から渦がスタートしているので、これでは「ロ音記号」となってしまいます。もちろん「ロ音記号」なんて存在しません。「看板を作ってきたで!」と嬉しそうに持って帰って来た父親に「間違えてるやん!!なんで勝手に作ったん?」と怒ってしまった私。ごめんね、お父さん。でも今となっては、私の大のお気に入りの看板です。生徒たちにト音記号の説明をした後、「外の看板の間違えを見つけてきて。」と言うと、みんな喜んで見に行きます。なんでも使いようですよね。

この看板を見て、問い合わせをくださる生徒さんも多いです。天国で父も喜んでくれていると思います。

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