ひとさし指のノクターン

「ひとさし指のノクターン ~車いすの高校生と東京藝大の挑戦~」を読みました。
ひとさし指のノクターン

「障がいとアーツ」という東京藝大のイベントで、車いすの4人の高校生がステージでグランドピアノを演奏するまでの軌跡を描いたドキュメンタリーです。

肢体不自由者には「タッチの軽いキーボードの方が易しいのでは?」と我々は思いがちです。しかし「生のピアノの音色が好き。指の力で音色が変わるところも大好き。本当のピアノでノクターンが弾きたい。」と夢を語る少女。真実をとらえているなと、思わず感心してしまいました。とは言え、指が自由に動かず、ペダルも踏めない彼ら。その夢をどう具現化するのが?メロディに追従して伴奏をつけるシステム、演奏に合わせてペダルを踏む仕組み、そしてその演奏をいかに音楽的に導くか・・・。ヤマハの技術者と藝大の指導者たちの熱意、子どもたちの想い、それらが奇跡を起こします。

障がいのある方を題材にして感動のストーリーに仕立てる感じの話は、あまり好きではないのですが、この本の内容はよかったと思います。健常者の上から目線や、お涙ちょうだいといった安っぽさを、一切感じませんでした。いつもの本棚に入れておきますので、興味のある方はまた読んでみて下さい。

ショパン作曲ノクターンop.9-2(演奏はカツァリス)

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