大人の生徒さんIさん(70代・男性)の話です。
当教室の生徒さんなら
「あのおじちゃんのことか」と、見当がつく方が多いと思います。
そう、あのおじちゃんの話です。
Iさんはピアノを始められて、2年と半年ほど経ちます。
今年の夏の発表会で、初めて大きな舞台に挑戦されました。
曲は「美しく青きドナウ」
直前のレッスンでも、弾き合い会でも、良い仕上がりだったので、本番もきっと大丈夫だろうと思っていたのですが・・・
舞台上で頭が真っ白になってしまわれたようで、、、
あんなに上手に弾いておられたのに、その実力の半分も出せないまんま、終わってしまいました(>_<)
ショックを受けて
「もうピアノ辞めます」とか「発表会は懲り懲りです」そう言われるのでは?と私は心配していました。
ところが・・・
発表会明けのレッスンで
Iさん「発表会での出来は本当に不本意でした。このまま終わるのは悔しいですし、次のクリスマス会で、もう一度同じ曲に挑戦してもいいですか?」
私「気分を変えて、他の曲を弾かれてもいいのでは?」
Iさん「大丈夫です。もう一度、この曲に取り組みたいです。」
私(予想外の展開に驚き・・・)
私「もうピアノが嫌になりました、とか言われるのではないかと、心配していました。」
Iさん「私は他の生徒さんより歳は取っていますが、ピアノの経験は他の子どもさんと同じ2年生くらいです。そう考えたら、あの失敗も良い経験です。」
私「すごい前向きですね。さすがです」
Iさん「ただ、せっかくの先生の発表会に、あの出来は申し訳なかったと、そこは反省しています。」
私「そんなことは、一切思わないでください。」
このような会話をした記憶があります。
Iさんの大人な受け止め方と、ポジティブ思考に、さすがだなぁと脱帽でした
ピアノを長く続けていると、舞台上で頭が真っ白になるという経験は、多くの人が一度は経験するのではないかと思います。
そういう経験をして、人は初めて考えるようになります。
>
私も若い頃の発表会で、左手の音を忘れてしまい、数小節を右手だけでつないだ、という経験があります。
なーんだ、そのくらいのことか!と思われるかもしれませんが・・・
弾いている本人は背筋も凍る思いです
そういう経験を何度かしてから、私は本番前は周到に準備(練習)をするように、変わったと思います。
なので「失敗する」という経験も貴重だし、生徒さんにはそこから学んでほしいと常々思っています。
話をIさんに戻して・・・
そんなわけで、Iさんのクリスマス会での挑戦
2度目の「美しく青きドナウ」
どうなるでしょうか?
皆さん、応援してあげてくださいね
この度はエピソードを載せて頂きまして有難うございます
今回の発表会での失敗はさすがにショックでした。
しかしながらその経験から気付いたのですが…。
素人ゆえ、そこそこ演奏が出来て70点位を頂いて、次の新しい曲もそこそこで、いつも70点の実力で終わってしまいそうだったと。
今回のことをきっかけに同じ曲を極めて、80点や90点にレベルアップ出来る可能性もあり、かえってよかったと思っています。北原先生のご指導のもと、しっかりと練習をして次回はいい演奏をしたいと思います。
I様、コメントをありがとうございます。
ピアノを教えていながらも、実は生徒さんから教えられていることが多くあり、今回の経験もまさにそうでした。Iさんの物事のとらえ方や挑み方を、真横で見せていただき、私もとても勉強になっています。ありがとうございます。
楽しいクリスマス会となりますよう、あと少し、一緒に頑張りましょう♪