私が子どもの頃に住んでいた家は、リビングが2階にあり、ピアノは1階の客間に置いてありました。
母に「ピアノの練習をしてきなさい。」と促されても、人気のない下の部屋は、夏は暑く冬は寒く、また一人で下の部屋に行くのが何となく嫌で、いつもいつも渋っていたことを記憶しています。
家のどこにピアノを置くのか、これはまあまあ大切なことではないかと思います
幼い子どもさんの場合は、やはり家族が集うリビングに置くのが、環境としては一番良いと思います。上手に弾けた時に褒めてあげることもできますし、雑に練習していると注意することもできます。
ただ小学校高学年位になると、話は変わってきます。
「ピアノの練習を家族に聞かれるのが嫌」とか「一人で練習に集中したい」等と言いだすことが多いです。
それから、持って生まれた性格も、日々の練習に大きく影響します
じっと腰を据えて取り組むタイプの子もいれば、ちょっとつまずくとイライラして「もう嫌ー!!」となったり、できない事が悔しくて泣きだすタイプの子もいます。レッスンで泣く子は、だいたいお家での練習も泣いているようです
「うちの子は、ピアノに向かないのでしょうか?」と、お母さまから相談されることもありますが、そんなことは決してありません。むしろそういう喜怒哀楽が激しいタイプの子は、たいてい音楽的な表現の幅も広く、上手な子が多いです
こうやって考えると、ピアノというのは、他のお稽古事と違って、お金も時間も労力もかかる、たいへんに贅沢な習い事だと痛感しますただ日々の練習に苦労が多い分、「ステージで堂々と演奏する我が子を見て、涙が出てきました」と、嬉しい感想をいただいたことも一度や二度ではありません
次回は、発表会やコンクール等のステージ経験が、いかに大切であるかを皆さんに紹介して、このシリーズを終えたいと思います